2015/02/15

あなたは非対称マルチプレイに注目するべき



これを読んでいるあなたは<非対称マルチプレイ>に注目するべきです。

すでに流行りつつある非対称マルチプレイ。日々ゲームを追いかけるゲーマー諸君ならちょこっとでも知っておきたいところ。今記事では私なりに非対称マルチプレイの現在と、今後を書いていきます。どうぞよろしく。


非対称マルチプレイって?

そもそも<非対称マルチプレイ>ってなに?……な、あなたへ。

まずマルチプレイを考えてみてください。格闘ゲームやFPSのような対戦ゲームはマルチプレイですね。2人や4人で協力(co-op)するゲームもマルチプレイですね。ようするに複数人でプレイするゲームは、どれもマルチプレイです。

つぎ、非対称について考えてみてください。対称でない……という意味。では対称なマルチプレイはなんだって話になります。格闘ゲームなら基本1vs1、オーソドックスなFPSなら4vs4。人数や選べる性能が平等。これが対称なマルチプレイ。

非対称マルチプレイは、1vs1や4vs4ではない。例えばEvolveというゲームは、4vs1が基本です。4vs1!明らかに1側が不平等じゃないか!と、大抵の人は思うでしょう。まあまあ、詳しいことは後で。

非対称マルチプレイのちがい

非対称なのは人数だけではありません。再びEvolveを例えに。この4vs1は詳しく書けば<人間4人vsモンスター1体>なんですよ。

もしあなたが人間側なら、1体のモンスターを動かしている誰かと対戦することになります。逆にモンスター側なら、4人の人間と対戦することになります。

こういうゲームは今まで、ありそうでなかった。モンスターを動かして人間を蹴散らせる!また人間ならAIでなく本物の意志をもったモンスターと戦える!こういうゲームを夢見ていた人は多いでしょう。なにせ私もその一人ですから。

これで非対称マルチプレイの基本がわかってもらえたと思います。では次はすでに発売されているゲーム、発売予定のゲームをみていきましょう。


代表的なゲーム

1.Evolve


説明のために名前を出したゲームですね。2015年3月に発売予定のマルチプレイゲームです。今作には、非対称マルチプレイの基本要素がすべて詰まっています。

話した通り4vs1=人間4人vsモンスター1体の対戦がメイン。

人間側はハンターと呼ばれ、4種のクラス、複数のキャラから1人を選ぶ形となっています。対してモンスター側は、3体(DLCを除いて)用意されています。いずれも巨大で、いかにも凶暴な風貌。

4vs1は不平等に感じられるでしょうが、そこはバランスをとっています。1人ひとりの力は弱いハンター4人と、我身ひとつで戦い抜けるモンスター1体……という構図なんですね。ハンターが1人や2人だったら、モンスターに勝てない。

また、視点のちがいもあります。ハンター側は主観視点でFPS的、モンスター側は三人称視点でアクション的。どちらを動かすかでゲームの操作感覚も変わってくる。

<対戦人数のちがい>
<操作感覚のちがい>
<人間かモンスターかといった種族のちがい>
典型的な非対称マルチプレイといえます。Evolveは非対称マルチプレイの教科書と呼んでいいくらい。

モンスターを動かせるのはよいですね。特にボスキャラみたいな強い奴ですよ。ゲーマーが見る夢の一つではないでしょうか。その夢を叶えてくれるだけでも、このEvolveには価値があります。

ところでハンター4人vsモンスター1体って、モンスターハンターも同じ構図ですね。カプコンMHで4vs1の非対称マルチプレイゲーム作ってくれないかなあ……。

[Evolve公式HPはこちら]

2.Depth


実は去年に、Steamで非対称マルチプレイのゲームが配信されています。それがDepth。4vs2、ダイバー4人vsサメ2匹。そう、サメ。ジョーズシャークネードでおなじみ、あの海に住んでいるサメです。

4vs1ではありませんが、構図はEvolveとほぼ一緒ですね。つまり、これも非対称マルチプレイの典型例といえます。

ダイバーは銃火器が使える、しかし海底は暗くて視界が悪い。サメはもちろん銃が使えず噛みつくだけですが視界が効く。いちおう、こんな形でバランスをとっているようです。

サメといえば動物系パニック映画の代表ですね。それを動かせる面白さ……ジョーズになりたい人は購入してみるのもアリ?

[Depth公式HP(英語のみ)はこちら]

3.Left 4 Dead


2008年発売、ゾンビを題材にしたFPS。続編L4D2が2009年発売。対戦人数は4vs4で対称ながら、生存者4人vs感染者4人。これも立派な非対称マルチプレイ、先駆者ですね。

生存者は銃火器を使い、AI感染者とプレイヤー感染者を倒していきます。感染者は4種類にわけられ、それぞれに性能が異なっています。なので生存者よりも戦略と協力が求められるわけですね。

非対称マルチプレイという概念を知らずとも、このL4Dを知っている人は多いでしょう。プレイして「あ、こういう対戦ゲームもアリなのか」と感じた人は少なくないはず。

[Left 4 Dead公式HPはこちら]

4.Dying Light


2015年4月発売予定。ゾンビを題材にしたFPS。じゃあL4D系列か!……ではないんですね。かつてTechlandというスタジオがDead Islandなるゾンビゲームを開発しました。それの精神的続編がDying Light

オープンワールドで、FPSとはいいつつメインは白兵戦。この特徴はDying Lightにも受け継がれ、その上でパルクール要素が強まっている。さらにさらに非対称マルチプレイ要素もある……要素だけみると贅沢なゲームに感じられます。

このDying Lightには<ゾンビモード>が用意されています。4vs1、人間vsナイトハンター。ナイトハンターは並みのゾンビと一味ちがう超人的ゾンビで、人間より自由にマップ移動ができます。人間になってパルクールを楽しむか、ナイトハンターになって夜空を駆け巡るか……といった具合。

個人的に、非対称である点も見逃せませんが、なにより白兵戦メインのFPSであることが好み。Techlandは他にHellraidという白兵戦メインのファンタジーFPSを開発中だったはず。そっちはどうなっているのかな?

[Dying Light公式HP(英語のみ)はこちら]

5.Fable Legends


Fableといえば、オープンワールド代表作の一つ。その新作はオンラインに主眼を置いた、非対称マルチプレイのゲームへと変貌しました。

4vs1、ヒーローvsヴィラン。EvolveDying Lightと同じ?と、思いきや、かなり趣が異なっています。

ヒーロー側はアクションRPGといった形で進みます。大きく異なるのは1人のヴィラン。RTSや戦略SLGのようにマップを俯瞰(神視点)で見下ろし、敵・罠・ボスキャラを配置・操作していく形なんですね。

これは非常に面白い。まるでTRPGがデジタルゲーム化されたようではありませんか。プレイヤーvsダンジョンマスターとでもいいましょうか。さすがに現実のTRPGほど自由ではないにしろ、発想はかなり近い。

TRPGとは?
テーブルトークRPGの略。テーブルの上で話しあいながら行うゲーム。極端な話、人生ゲームやすごろくの豪華版。TRPGにおけるダンジョンマスターとは、役割の一種。シナリオを用意したり、細かいルールを決めたりする役。代表的なTRPG作品はダンジョンズ&ドラゴンズシャドウランなど

このFable Legendsは非対称マルチプレイの大きな可能性を感じさせるタイトルです。まだ発売日未定なので、影ながら見守っておきます。

[Fable Legends公式HP(英語のみ)はこちら]

6.Sword Coast Legends


TPRGの大御所ダンジョンズ&ドラゴンズ。TRPG愛好家でその名前を知らない人は、まずいないでしょう。そのD&Dをベースにした新作がSword Coast Legends

Diabloのようなハクスラゲームで4vs1……正確には4+1のゲームとなっています。4人のプレイヤー+1人のダンジョンマスター。ダンジョンマスターは敵・罠の配置をするといったダンジョン管理から、それを攻略してもらうためのクエスト作成もできる様子。

今は情報が少ないので、なんともいえないのが現状。しかしこれもFable Legendsと同じく非対称マルチプレイの未来を感じさせてくれるではありませんか。

[Sword Coast Legends公式HP(英語のみ)はこちら]

7.WiiU


2012年発売のゲームハード。ハードなのでこれ自体に非対称マルチプレイは備わっていません。ところが専用ゲームパッドの存在が、非対称の可能性を大きく後押しします。

例えば発売済みのニンテンドーランド。12種類のミニゲームが用意され、どちらかというと専用ゲームパッドの操作感を確かめるためにあるようなゲーム。

ニンテンドーランド収録<ルイージのゴーストマンション>を見てみましょう。4vs1、4人は暗い館中をライトを灯して探索し、ゴーストを発見するのが目的。1人は専用ゲームパッドを用いて、ゴーストを操作し、4人にこっそり襲いかかる。

構造はこれまで話した非対称マルチプレイのゲームに似通っていますね。ニンテンドーランドにはこんな感じのミニゲームばかり用意されています。

次にNew スーパーマリオブラザーズ.U。これには<バディプレイ>なる概念があります。1人はマリオを操作する。もう1人は専用ゲームパッドを用いて、足場を出したり敵をひるませたり、マリオをサポートしていく。

あまり刺激的といえませんが、これも一つの非対称の形。

こんな風に、WiiUは専用ゲームパッドを主軸にした非対称マルチプレイのゲームがいくつか出ています。詳細は省きますが、他にタッチ!カービィ スーパーレインボーマリオパーティ10あたり。ただ、非対称マルチプレイ特化……なゲームが出ていないのは残念なところ。

WiiUはハード自体が非対称マルチプレイに好都合な作りです。今後どういったゲームが出てくるか気になるところ。任天堂、サードパーティ、共に頑張ってもらいたい。

[WiiU公式HPはこちら]


非対称の今後

さて、いかがでしたか。

これで非対称マルチプレイの<現在>がわかってもらえたと思います。ここでは記事の締めとして、非対称マルチプレイの<今後>を、自分なりにちょこっと書いていきます。

非対称マルチプレイって、なんで流行りつつあるのか?

答えは<ロールプレイングができるから>

ロールプレイングとは?
仮想の場面と人物を作り、自分がその人物になりきって場面を体験していく……という意味。例えば何かのゲームで主人公をオリジナルのキャラと妄想して独自の名前をつける。そのキャラになったつもりで冒険した経験のある人はまさにロールプレイング経験者

各メーカーやスタジオがしのぎを削って独自ゲームを作りたがっている……というのはもちろんあるでしょう。しかしゲームの本質の一つを考えてみれば、その答えに行きつきます。

どんなゲームも必ずロールプレイングの要素を含んでいます。今までゲームはストーリー、キャラクタークリエイト、対戦・協力などで、ロールプレイングを支えてきました。私たちはゲームを通じて、あらゆるヒーロー、種族、職業……ときにはヤギにさえなることができました。

非対称マルチプレイは、けっきょくロールプレイングの一種に過ぎません。Evolveでハンターを演じるか、モンスターを演じるか、これもロールプレイング。「俺はハンターになってモンスターを狩るんだ!」「俺はモンスターになってハンターを蹴散らすんだ!」

ロールプレイングを楽しむこと代表といえばTRPG。そのTRPGをデジタルに再現しようと目論むFable LegendsSword Coast Legendsなんて、もはや語るまでもありませんね。

開発者やプレイヤーは気付きはじめています。「非対称マルチプレイなら、ロールプレイングがもっと豊かになるんじゃね?」と。今はそれが実践されている段階。

いずれ、非対称マルチプレイは多くのゲームで基本となるかもしれません。オンラインでゲームをしていて、強いモンスターに自キャラが倒されてしまった。後で確かめるとそのモンスターは誰かが操作していたものだった……が当たり前になるかもしれません。

あなたは非対称マルチプレイに注目するべきです。つまり、近い将来に当たり前になるかもしれないこの要素を、ちょこっと予習しておこうぜってこと。

というかロールプレイング好きなら、予習必須。Skyrimでカジートやアルゴニアンを好んで使ってきたような人は非対称マルチプレイを見逃すな!

はい、こんなところで終わり。

最後まで読んでくれてありがとうございます。ここに挙げたゲームはもとより、今後のゲームにも期待しましょう。非対称マルチプレイ、よろしくね!

ではさようなら。

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