邦題『オブリビオン』
日本語字幕版をみた感想と紹介
※ゲームのOblivionじゃないよ※
劇場ポスター
この映画はオッサン臭くなったトム・クルーズ&ドローンというマスコットを楽しむ作品です。あらすじの後カテゴリ別に今作を確かめていきましょう。
あらすじ
ジャック「地球は侵略者に侵略されちゃった」
ヴィカ「ジャックと私で人類のための仕事がんばるわ」
ジャック「ところが墜落した宇宙船から謎の女が……」
ジュリア「妻よ。あなた侵略者に記憶を改ざんされたの!」
マルコム「そう、君は侵略者に操られ我々人類と戦っていたのだ」
ジャック「ヴィカより妻が好きだから侵略者は吹き飛ばす!」
お わ り
SF感
今作のSF感はややひねりが加えられたものです。
まず、地球は壊滅状態。宇宙からやってきた謎の侵略者の攻撃に晒されたから。侵略者はテットと呼ばれます(サイトによってはテッドと呼んでたり……英語のつづりは"Tet"だからお間違えのないよう)
角の削れた立体三角形
テットは攻撃後、なぜか地球上の水を掻き集めはじめます。これら攻撃や水集めに使われるのがテット由来の超技術および主人公ジャック・ハーパー。
え、主人公が侵略者側なの?
それには混みいった理由があります。
トム・クルーズ演じる主人公ジャックの境遇をみてみましょう。彼は宇宙飛行士でしたがテットに取りこまれます。その後は記憶を消去、無数のクローンが作られて地球侵略の駒に。
ジャックは自分が量産品であると知らず侵略者に与えられた仕事をこなします。しかも記憶改ざんのせいで、この仕事は人類のためだと思い込んでいる。
実際は侵略者の手伝いに過ぎません。しかも仕事の一環で人類の生き残りを攻撃する始末。記憶改ざんによって人類の生き残りこそが侵略者だと勘違いしている。
クローン・記憶改ざんの要素を絡めた主人公の複雑な境遇。いかにもSFといった感じのひねりかた。正直、どこかでみたことあるような印象はぬぐえないけど手堅さは好感触。
ストーリー
ジャックが記憶を取り戻して真の敵(テット)に立ち向かっていく物語です。
記憶を取り戻す要素が妻のジュリア、人類側リーダーのマルコム。特にジュリアはメインヒロインなので役割が大きい。そのためサブヒロインたるヴィカとちょっとした三角関係に。
似てない
この三角関係は中盤の見どころ。
ヴィカはジャックと同じくテットに利用されている人。ジャックとは良きパートナーという記憶改ざんの元、動きます。そして彼女はジャックと異なり異様に改ざんされた記憶を信じる。
ヴィカのかたくなさ、ジャックとの関係に固執する態度はどことなく病的な風味が感じとれる。不気味です。今作の序盤中盤を覆う不気味さに強く献上しています。
そう、不気味なんです。序盤中盤は不気味に撮られています。まさにジャックとヴィカの複雑な境遇を絵で示している。二人の仕事は幸せなようで…… 本 当 は ?
序盤中盤は不気味に息をのむ。終盤は待ってましたなSF展開・設定開示に下鼓をうつ。今作のストーリーはこんなところ。
キャスト
既に記したように主演はトム・クルーズ。
よいおっさんです。誠実そうな雰囲気と、どことなく頼りなさげな感じが今作の設定によくマッチしているではありませんか。
メインヒロインのジュリアを演じたのはオルガ・キュリレンコ。精悍な顔つきとは彼女のことを指すのでしょう。ウクライナ人……ロシア系ということでよいのかな?そういう顔。
けど違う映画では妖艶な役回りもしているようで。役者は素晴らしいですね。
サブヒロインのヴィカを演じたのはアンドレア・ライズボロー。ハッキリ言ってメインヒロインよりかわいい。幼さのある人形めいた顔立ちが魅力的ですね。
だからこそ、不気味で、報われない役回りになっているんでしょう。真顔で主人子を見つめる姿、何を考えているのやら。おー怖い怖い。ちなみに劇中では彼女だけが脱ぎます。メインヒロインは脱がず。
メカニック
テットが保有する高度なマシンが見どころ。
テット保有のマシンはすべて白色で統一、デザインもシンプル。非常に近未来的な雰囲気です。なにより異常に優れた性能が目を引きます。活躍するのは小型飛行機と自動制御の飛行ドローン。
小型飛行機はヘリコプター型の癖に単独で大気圏離脱ができる優れ物。物理法則なんてテットの技術力の前では赤子同然。
飛行ドローンは完全な球形にも関わらず、お尻のジェット噴射だけで空を飛ぶ。しかも直接描写はありませんが、これも単独で大気圏突入・離脱ができるようです。
テットすげえ!
ところがテットは人類側が扱うステルス網とスクランブル(暗号)通信を分析できない。明らかに劣っている技術を分析できないなんて……シナリオの都合ですね。
序盤中盤のジャックはテット側なので、これらの世話になります。これが頭の痛いことにストーリー理解のミスリードを誘う。
私の場合、使われるメカニックが高度であることに騙されました。てっきりはるか未来が舞台だと勘違いしていたんです。
違うんですねえ。作中でちらほら出てくるセリフを読みとるに時代設定は21世紀の様子。未来じゃない!それが証拠に主人公はレコードで音楽を聴いちゃったり。
(調べると時代設定は2077年。レコードなんて2014年の今でさえ骨董品扱いだぞ?CDやiPodじゃレトロ感が出せないからレコードを採用か?)
アクション
アクションシーンはドッグファイトと銃撃戦。いずれも敵はドローン。うーん。
ドッグファイトで盛り上がりたい?ならインディペンデンス・デイを観よう!
銃撃戦で盛り上がりたい?ならリベリオンを観よう!
今作のアクションシーンはドローンのためにあるのかも。ドローンは不気味ですが愛嬌が感じられないこともない。それが動き回ってかわいい。それだけ。
しょっちゅう壊れる役
まとめ
今作の基盤をつくるSFは手堅い。それゆえSFファンからしたら物足りなさがある。重要なのはSF設定から生み出されるちょっとした恋愛劇と、ドローンの愛くるしさ、トム・クルーズのよいお顔。
書き忘れましたがモーガン・フリーマンも出ます。終盤でトム・クルーズと一緒に爆弾起爆します。イカした共同作業。男のケーキ入刀。入刀されたのは立体三角形のよくわらない奴。
テットとドローンにかんぱい。さようなら。
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