邦題『ロボクロコ』
感想と紹介
大先輩『ピラニア』を数万倍に薄めた映画。
今記事の流れは?
・あらすじ
・ストーリー
・キャラクター
・映像
・まとめ
みんな大好きC級映画!その名も『ロボクロコ』。ワーオ名前からしてC級感。その予想に恥じぬ超大胆な中身となっています。それはどんな具合か、ぜひみなさんにも感想という形でお届けしていきましょう。
C級映画って?
低予算そこそこクオリティのB級映画より微妙な映画のこと。例として……
B級映画『コマンドー』『トレマーズ』『13日の金曜日』など
C級映画『ロボクロコ』『メタルマン』『ピンクフラミンゴ』など
低予算そこそこクオリティのB級映画より微妙な映画のこと。例として……
B級映画『コマンドー』『トレマーズ』『13日の金曜日』など
C級映画『ロボクロコ』『メタルマン』『ピンクフラミンゴ』など
あらすじ
飼育員「動物園のワニが凶暴化した!」
軍人「秘密の実験兵器がワニを変異させたようだ」
女博士「とりあえず捕まえて」
飼育員「強すぎて捕まえられないから倒す方向で」
女博士「ダメよ実験サンプルなんだから!邪魔してやる!」
飼育員「博士もワニも倒したぜ」
お わ り
ストーリー
今作はマインスイーパーよりも退屈なストーリーです。そこに説明不足、無駄な要素などが合わさって、退屈の一言では言い表せない作りへと昇華しています。
冒頭、いきなりロケットの発射シーンから始まり数秒で墜落。本当にいきなりですよ。ディスクを再生して悠々と構えていたら唐突に重要そうなシーンが映るもんだから「えっ、始まった?あ、なにこのロケット。あー墜落した、なんで?は?」
せめてロケット発射前のシークエンスくらい入れてほしかったなー。カウントダウンしてくれたら「これから何が始まるんだ?」くらいの身構えはできたのに。とにかく非常に斬新で視聴者の出鼻を完璧にくじくスタートです。
墜落ロケットの一部はたまたま動物園の、ワニの檻の中へ落下。搭載されていた謎の機械はハエの群れみたい。ワニへとりつきます。このハエがワニをロボクロコへと変えていくわけですね。ちなみにワニの名前はステラちゃん(雌)。
ステラちゃんはすぐには変化しませんが例によって例のごとくとりあえず凶暴化。飼育員の一人に襲いかかります。この飼育員は排水溝だか何だかに潜りこんで事なきをえる。
というわけでバトンは別の飼育員、男女二人の手へ。そして二人が今作の主演。つまり、必然的にこの二人の会話劇が多くなる。へえーいいじゃん。主演の会話なんだから面白いんじゃないの?
甘い。面白くない。それだけならまだしも、長い。尺を取る。これでもかと取りまくる。なおかつ尺をとるのは主演以外も。そうした無駄な会話劇が重なりに重なり冗長さを極限まで高める。視聴者をくじけさせるのに余念がありません。
尺取り虫のみなさん
ロボクロコ自体はちょくちょく出てきて主演にちょっかいをかけーの、動物園から逃げーの、アクアパークなる遊園地に侵入しーの。あれ、なんだか既視感が?場面の映り代わりが『ピラニア』によーく似ている。
せっかくなので比較してみましょう。
名前も出てきたので、アクアパークの話にうつりましょう。
アクアパークは水遊びにきた学生で大盛り上がり。そこにはいかにも奥手そうな二人の青年の姿が。さらに女の子、青年をいじめる男など登場。いじめ役のほうはロボクロコにやられて退場します。ここからは青年二人組+女の子が活躍。
ロボクロコに襲われ!
アクアパークから脱出し!
ロボクロコに出会うことなく地下道を逃げ!
飼育員に迷惑をかける!
それだけ。
終盤になるとロボクロコの出現・行動は実は意図されたものだったと判明します。黒幕はロボクロコを止めようとする軍隊にまぎれこんでいた女博士でした。ロケットに搭載されていたハエロボットの実地実験をしたかったそうです。
ところでこのハエ、高性能すぎない?単なる生き物を完全な機械に作り替えるんですよ。金属化じゃありません。機械化、ロボット化です。ターミネーターよろしく赤スクリーンのUI、女博士のタブレットと通信するため無線、そのうえ電磁波妨害装置まで生成される!
たしかに女博士が実地実験をしたがる気持ちもわかります。なにせ自動Wifi生成マシンですから。私の後頭部あたりにも虫ロボットが侵入してほしいですよ。Wifi化すればいつでもスマホとデータ共有できるようになるでしょ。
終盤にもなればステラちゃんはビーストウォーズに出てきそうな完全機械になります。今にもトランスフォーム!しそう。そうして女博士となかよくお陀仏。メイン飼育員は晴れて大勝利。めでたしめでたし。
きっと彼女はデストロン軍所属
キャラクター
1.飼育員A
はじめてロボクロコに襲われる登場人物にして、生存者。
おいおい、そこは記念すべき最初の犠牲者にならないと!それが動物パニック映画の基本でしょーが!しかもこの逃げのびた飼育員、排水溝に閉じ込められたままで映画20分あたりまで何もありません。その上助けてもらったあとはそのまま退場。
お前なんのために出てきたんだよォ!!
2.メイン飼育員
尺取り虫。とはいえ活躍はしてくれます。それだけでありがたく感じられますね。
3.軍人
序盤は敵かと思いきや終盤で協力してくれる良い奴ポジション。最後に死にます。そのシーンは一回ロボクロコにいためつけられたあと、なぜかまた引き返してきたロボクロコに襲われるという壮絶なもの。
なぜ殺すシーンでワンテンポ置いた?軍人は手榴弾で合い打ちを狙おうとしたのですが、恐らくそのシーンを撮りたかったからでしょう。けどそれにしたって一回目の襲撃でぜんぶ収まるんじゃないでしょうか?
4.学生チーム
青年、女の子、いじめ役、それぞれ二人ずつ。
これ、いじめ役は必要だったのか?きっと映画制作者は「いじめ役がロボクロコに殺されたぞー!気持ちいーだろー!」したかったのでしょう。けど殺されるシーンが一瞬すぎてその快感はかすみ程度にしか味わえません。
役回りができないんだったら始めから登場させなくていいよ!
というわけで青年二人+女の子の三人が活躍することに。ちなみに青年のうち一人はメイン飼育員の息子。だからメイン飼育員は息子をロボクロコの脅威から救うためにがんばる!という建前のもと行動します。この手の映画にしては、なんというか、まっとうな建前ですね。
5.女博士
響きはよいですが役者は普通のおばさんなので期待しないように。自分はいちばん好きな登場人物です。なにせがっつり悪役してくれますから。悪役は悪役らしく。ロボクロコとデータをやり取りするためのタブレットをこまめに操作します。
6.ワニの専門家
メイン飼育員の知り合い。ロボクロコを止める手伝いで出てくるやられ役。この専門家がロボクロコと格闘するシーンが面白い。素手で背中に飛び乗って殴りまくる!ロボクロコは体を高速回転!あわれ専門家は吹き飛ばされてお陀仏!
今作でいちばん笑えたシーンでした。
7.ステラ(ロボクロコ)
ストーリーのメイン。なんですが、パッとしません。殺害回数は多めなのに、いかんせん一つ一つのシーンが一瞬で終わる。ステラの低予算CGをあまり画面に映したくないという美しい配慮です。せっかくの殺害シーンが盛り上がらないなんて……
映像
もう少しお付き合いを。
今作はロボクロコがCGで、さっきも言ったとおり低予算丸出し。ちょい出しが基本なのはそれを誤魔化そうとしているからでしょうか。誤魔化す知恵があるだけマシですね。
虫がワニの体内を変化させていくCGも注目ポイント。血管や血液の描写はまるで教育番組をみているようなさっぱりしたCG。いまTVを流している方はNHKにでもチャンネルを変えてみましょう。きっと今作並みのCGを堪能できますよ。
またロボクロコ関連で一部、不自然なカットあり。ロボクロコがライオンの檻に侵入するシーン。本物のライオンがカメラからフレームアウト……しかけるところで唐突カット、まったく同じ場面にロボクロコが。せめてライオンがフレームアウトしきってから出そうぜ!
他にはロボクロコがとある水中を泳ぐシーンも不自然。ステラちゃんの機械化している箇所が、なーんか透けてない?金属の光沢なんでしょうが、何度見返しても透けているようにしか見えない。CG制作さの大変さが感じられますね。
まとめ
全体的に会話が長い、無駄なキャラが出てくる、CGは微妙。まさに典型的なC級映画。とはいえストーリー自体は寄り道なし、登場人物の動機もマトモ、盛り上がるシーンがないこともない。C級映画入門として上々なのではないでしょうか。
会話劇のつまらなさに目をつむれば何とか眠らずに見ることができるかと思います。編集をもっとがんばれば少しは面白くなったんじゃないかなあ。と思わせてくれるだけ微妙映画のツワモノたちに比べれば良心に溢れているではありませんか。
ではさようなら。
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