2014/04/11

MLP感想『Testing Testing 1, 2, 3』

 題目『My Little Pony:Friendship is Magic S4E21-Testing Testing 1, 2, 3-』
これについての感想と紹介。
MLP:FiMを知っていること前提の記事ですが、いちおう用語補足はします。

はじめに言います。今回の話はサイコウです。

左:レインボーダッシュ 右:トワイライト・スパークル



MLP:FiMを知らない人が、最低限知っておきたいこと。
[S○○E○○]
 S=シーズン、その時期の放送期間のこと E=エピソード 、話数のこと
 S4E21で「シーズン4のエピソード21話」
[レギュラーメンバー] (以降は略称で呼ぶ)
 6匹いてmane6と呼ばれている
 トワイライト・スパークル(TW) ピンキーパイ(PP) アップルジャック(AJ)
 レインボーダッシュ(RD) ラリティ(RT) フラッターシャイ(FS)
 今回の主役はRD
[ワンダーボルト]
 優秀なペガサスたちが集うアクロバットチーム
 RDのあこがれ

では本題。

ストーリーの始まりは、TWが図書館の玄関前で読書しているシーンから始まります。さっそくツッコミどころ。なぜ玄関前なのか、なぜ外で読書するのか。外で読書するにしたって、もっと快適な場所があるでしょうに。

実はTWが外で読書していたのには理由があります。ストーリー上、今回の主役であるRDと遭遇する必要があるためです。というわけでRDに読書が邪魔されたTW、外で読み呆けている彼女が、外で遊び呆けている友だちを叱りにいきます「ワンダーボルト試験の予習はどうしたの?」

ワンダーボルト試験は、ワンダーボルトの歴史について確かめる試験です。これはワンダーボルト入隊に関わり、合格すれば隊員予備軍になれるらしいので、RDにとってはかなり重要といえます。

RDが予習をしていないうえに余裕ぶっこいているので、TWが勉強をみてあげることに。「勉強」がストーリーの軸です。TWはさっそく、自分が実践している勉強方法を試していきます。学生にはおなじみ、教科書の要所要所に線を引いていく「リーディング&ハイライティング」さらにTW自身が板書と声で教えてもいきます。

しかしRDが素直に勉強するはずがない。「リーディング&ハイライティング」では教科書ぜんぶに線を書きこんだうえに落書きまで。TWの似顔絵です。汚い。妙に細長く描かれているのでTWは思わず「私こんなにノッポじゃない!」と怒ります(S4に入ってからTWは成長して背が高くなっている。公式がそれを自らネタにした様子)。

また、TWが板書で夢中になっている間、RDはその背後で椅子をつかって遊びます。このシーンのRDは非常にかわいい。今回のRDはかわいいシーンが多いですが、その中でも1、2を争うかわいさですね。

問題のシーン(本当は動いている姿を見せたかった)

こんな有り様だから、よほど余裕があるんだろうとTWは呆れます。ところが抜き打ちテストをしてみると結果はボロボロ。試験に合格できないと注意され、RDもさすがに状況のヤバさに気付いて、余裕をすっかり失います。RDは余裕がある場合とない場合の落差が激しい性格で、今回もその性格をたっぷり見せつけてきます。

「勉強できないのはトワイライトの勉強方法が悪い」と逆ギレしだすRDのせいで、喧嘩に発展しかけるも、さいわいFSがやってきたことで収まります。RDの陥っている状況が、mane6のみんなに広まることに。

TWの勉強方法でダメならと、FSは劇を用いて視覚的に教えようと試みます。さて、ここまで真面目に見ている視聴者なら、TWのおかげで、ワンダーボルトの歴史をだいたい把握しているはずです。よってFSの提案した無声劇が、何を伝えようとしているのかが理解できるでしょう。

けどRDは真面目に見ていません! 劇を理解できない! しかもかなーり子供向けな構成だったので、やんちゃなRDにはかなーりつまらない内容だった。当初は質問をして内容を理解しようと努めていたけど、やがて飽きてしまいます。

帰ってしまおうとするRDを止めたのはPPでした。PPもまた違うアプローチで教えてあげようとします。それは音楽、具体的にはラップ。PPによるラップ勉強がはじまります。ラップメロディに合わせて、歌詞でワンダーボルトの歴史を教えていくわけです。今回のもっとも注目すべきポイントがやってきましたよ。

PPラップに入った途端、映像の質がガラリと変化。16:9の綺麗だった映像が、4:3の低解像度になり、VHSで再生しているようなノイズが混じり、ブラウン管TVで見ているような走査線まで。本当にそんな風に見える加工がなされていて、大人はニヤリとさせられるはず。ラップといい古臭い映像といい、いかにも数十年前の音楽PVといった感じがお見事。

こういう演出を行えるのが映像作品のよいところ

PPラップはそのインパクトにより、RDにメロディを覚えさせることはできました(ここでRDがラップのスクラッチ音を真似る仕草はバツグンにかわいい)。しかし肝心のワンダーボルトの歴史は、頭に入らなかったようです。

そこで次に名乗り出てきたのはRT。彼女は服飾の面から教えていこうとします。しかしけっきょく受け入れられませんでした。トリはAJ。どんな勉強方法を見せるかと思えば「勉強なんて意味ない。大事なのは経験」と言い出します。しかもなぜかリンゴを育てた経験についての話。経験が大事という理屈は分かりますが、今回の件にまったく関係ありませんね。

友だちが示してくれた勉強方法は効果なく、RDはふてくされます。TWは一緒に飛びながら励ましてあげるも、ネガティブモードになっちゃって手に負えません。このシーン、2人の影がうつる地上を、上空から映すシーンです。

個人的に目を惹かれたのは、2人の影の動きですね。建物と地上のわかれ目など、高低差ある部分では、影がきちんと変形します。PPラップなどと比べればややつまらないシーンとはいえ、細かい演出のおかげで飽きさせません。

(余談。このシーンでモブポニーが足こぎ式ヘリコプターに乗って登場する。どうやら"The PinkieCopter"というMLP関連玩具のようです。ほんの数秒なので宣伝効果は微妙、ストーリーに関係ないうえ不自然な登場。注目するべきは、足こぎ式という部分。玩具にそんなたくましい要素はないので、アニメ流の解釈です)

2つの影がRDとTW

ここでRDのある特技が判明します。RDは飛行しつつも、地上や空中に隈なく目を通していて、危機や異変がないか確かめている。そのため地上や空中で起きた些細な出来事を細かく記憶できる。我々で例えれば、車で移動している最中に、歩道の人々が何をしているか全て記憶できるようなものです。TWはついに気付きました。RDにとって最良の勉強方法を。

TWは新たな作戦を決行するため、再びRDを空の散歩に誘います。村の上を飛んでいきます。相変わらずRDはネガティブですが、散歩が終わったあとにTWは尋ねます「地上で何が起きていた?」

RDがスラスラと答えていくのは……あんなに頭に入ってこなかったワンダーボルトの歴史ではありませんか。本人も自分が歴史を知っていることに気づいて、ウキウキしながら全てを語り終えます。

そう、TWが仕組んだ作戦とは、村人総出で地上にワンダーボルトの歴史をちりばめていく、とても壮大なものだったのです。あるポニーは劇をしたり、あるポニーは制服を着て歴代ワンダーボルトリーダーの名前を叫んだり……それらはすべてRDの力となりました。

大勢の力を借りてめでたく知識をとりこんだRD。いざワンダーボルト試験を受ると、見事に高得点を叩きだしました。今回のストーリーが示したことはコレ。今知っている勉強方法で学べないからと言って諦めるのは早い。自分にあった勉強方法を見つけ出すことが大事なんだ。

TWは読書、リーディング&ハイライティング、板書で知識を身に付けた。FSは劇を見て身に付けた(たぶん)。PPは音楽で、RTは服飾で、AJは……リンゴのことを。AJは置いておいて、それぞれが独特の方法で勉強をしてきた。そしてRDもまた、自分独自の方法で勉強を成し遂げた。

満点取りは極端だけど映像として分かりやすいのでOK



結論。
今作はmane6がそれぞれの持ち味を活かして活躍する話です。その点でFiMファンにはたまらないし、映像の面でもバラエティ豊かになり非常に楽しめます。特にPPラップは見ているだけで狂おしい。そうした数々の注目できる部分が、教育番組としての質も高めています。勉強方法はただ一つでないこと、自分にあった勉強方法を見つけることが大事だということを、分かりやすく教えてくれる。

とはいえ、なによりも優れているのは、今回のRDが犯罪的にかわいいという点でしょう。FiMファンはRDの魅力を再発見しましょう。まだMLP:FiMを見たことがない人は、このS4E21をみてRDという天使を今まで見逃していた自分に後悔しましょう。

*画像はMLP:FiM_wikiaのものを使用
  http://mlp.wikia.com/wiki/My_Little_Pony_Friendship_is_Magic_Wiki

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